2010年12月10日金曜日

Access について

 Microsoft Access(アクセス) は Microsoft Office Professional 以上に含まれている製品でワードやエクセルの様に単体でも販売されています。データベースと開発環境が一つにパッケージされていて、開発側にとってもユーザー側にとってもコストパフォーマンスが非常に高い製品です。
同じだけの開発環境を Visual Studio で揃えたら数十万はかかると思います。

 また Access には開発に必須の各種コンポーネント(複数列コンボボックス、帳票など)が標準で、用意されていて開発時の生産性が非常に高いです。特にレポート機能は超が付くくらい高機能です。このレポート部分だけでも.NET版コンポーネントで売って欲しいです。

 互換性についても、独自コンポーネントを使用したり Win32API を多用したり、全てコードで処理する様な作り方をしない限りは、互換性は高いです。Access 97 で作成したシステムを最新の Access 形式に変換したらそのまま動作する、という事もあります。

 そんな良い事だらけの Access ですが、短所も幾つかあります。
MDI でしか使えないフォームは .NET の Windows アプリケーションと比較したら貧弱です。多くの方が割り切っている点だと思います。Access からネイティブ EXE がコンパイルできたら最強なんですけどね。
データ量が増大した場合にパフォーマンスへの影響が大きい。これがきっかけで .NET(VB.NET, C#) + RDBMS へリプレースするユーザーは多いと思います。
ごくまれに DB が破損するという致命的な障害が発生する事がある。これは、まめにバックアップを行ったり、システムと DB を別ファイルに分離する事で、ほぼ未然に防ぐ事は可能です。

 短所もありますが、ユーザーにとっての利点も後押しして Access で開発された(現在もされている)小規模システムは多いです。
ただ最近は .NET(VB.NET, C#) の開発環境が良くなってきたせいか、小規模システムでも Access を採用しない例が増えている様な気はします。

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